<bjリーグ:浜松・東三河フェニックス78-74埼玉ブロンコス>◇17日◇第3戦◇浜松アリーナ◇東地区◇観衆1218人

 参入2年目の優勝を誓う浜松・東三河フェニックスが、埼玉ブロンコスに競り勝ち、開幕3連勝を果たした。今季初のホームでの大声援を背に、第3クオーター(Q)途中までの最大14点のリードを徐々に詰められて、第4Q残り1分7秒で逆転を許す大苦戦。それでも、エースのウィリアム・ナイト(30=米国)が、残り56秒からフリースローを9本決めて突き放した。

 終盤に一気に詰め寄られ、返されても、最後の最後で勝っていた。新生フェニックスが、半年ぶりの浜松アリーナに駆けつけた観衆を興奮させる試合運びで、ホーム開幕戦を白星で飾った。ヒーローは英語で「騎士」の名を持つナイト。失敗は許されない土壇場でも、ドリブルでゴール下に切れ込みファウルを誘うと、フリースローを決め続けた。「フリー(=ただ)だからね。ありがたくいただいたよ」とニヤリと笑った。

 第4Qまでは見せ場のない単調な展開だった。両チームとも淡泊なプレーで、シュートが決まらなかった。特に浜松は、3点シュートを18本も放って決まったのはウェンデル・ホワイト(25)の1本だけ。リバウンド数は43対54で完敗だった。大口真洋主将(33)は「今日はブースター(=ファン)の声援で勝てたようなものですね」と苦笑いで話した。

 冷や汗ものの勝利に、中村和雄ヘッドコーチ(68)は疲れ切った表情。試合後恒例のマイクパフォーマンスで「すみませんでした。明日は、もうちょっとスカッと勝ちます。間違いない!」とガラガラ声で、18日の2戦目の「圧勝」を約束した。【大石健司】