<bjリーグ:仙台89ERS86-83浜松・東三河>◇25日◇仙台市体育館◇第48戦

 ◇25日◇仙台市体育館◇第48戦

 仙台89ERSが前日、東地区首位を決めた浜松・東三河フェニックスを86-83で下した。09年11月1日の浜松戦以来の2ケタ時間出場を果たしたSG橘佳宏(27)と、最近4戦で先発出場しているF高岡大輔(28)の同居人コンビがチームに流れを運んだ。これで今季の対浜松戦は2勝4敗となった。

 ひとつ屋根の下で暮らす仙台の同居人コンビに視線が集まる。約半年ぶりに10分以上の出場を果たした橘が、第1クオーター(Q)でいきなり好プレーを見せた。残り8秒、得意のドライブで浜松ディフェンスを置き去りにし、2点シュートを決める。この日の2点シュートの成功率は100%。今季、自身2位タイとなる7得点でチームに貢献した。

 開幕から11戦連続でスタメンだった橘。だが徐々に出場時間が少なくなった。1、2月は迷いが生じ「3点シュートとか、得点を(たくさん)取らないといけないのかなと悩んだ」。1月31日に宮城で行われたオールスター戦のダンクコンテストで優勝を飾った際は涙を流した。ため込んだ思いを、爆発させた瞬間だった。

 苦しいときは同居人が癒やしてくれた。負傷の高橋主将に代わり、ここ4戦でスタメンに名を連ねる高岡。さらにPG大石、89ERS社員の4人でルームシェアリングをして生活している。鍋を囲みながらバスケットボールや、お互いの彼女の話などをして家族同然の暮らしをしてきた。24日、6本のシュートを放ち1本も入らなかった高岡もこの日、3点シュートを3本決め、勝利の原動力となった。

 浜口ヘッドコーチは「2人とも良いところでやってくれた」と評価。プレーオフ東地区決勝で対戦する可能性がある浜松にホームで一矢報いた。サブメンバーも調子を上げ、意義のあるゲームとなった。【三須一紀】