<フィギュアスケート:4大陸選手権>◇3日目◇19日◇台北
ショートプログラム(SP)首位の高橋大輔(24=関大大学院)がフリーでもトップの演技を見せて、244・00点で完全優勝を果たした。最初の4回転トーループこそ転倒したが、タンゴのリズムに乗って観客を魅了。3月の世界選手権に向けて改良した新フリーで、完全復活した。SP3位の羽生結弦(16)がシニア初の表彰台となる銀メダルを獲得。小塚崇彦(22)は4位だった。
高橋が観客を、ジャッジを、会場全体を自分の世界へと完璧に引き込んだ。タンゴのリズムで「何も考えず、その時に感じたままに滑ろうと思っている」と、流れに任せた演技で魅了した。日本人ファンが多く訪れた台北アリーナを熱狂の渦に巻き込む今季自己ベスト。完全優勝に、何度も手を振って大声援に応えた。
テーマに掲げていた最初の4回転トーループは回転不足で転倒した。納得がいかず、演技後は思わず舌を出した。それでも、表現力を示す5項目は4つが高得点の8点台。世界選手権用に変えた後半の7つのジャンプなどは「ミスはあったけど、こっちの方が気持ちよくできて違和感もなかった。世界選手権に向けていい試合になった」とつかんだ手応えに笑顔を見せた。
バンクーバー五輪で銅メダルを獲得し、燃え尽き症候群になった今季。忘れていた闘争心に火が付いたのは、昨年12月の全日本選手権SPで4位に落ちたことだった。何とか世界選手権の切符をつかんだ後、1月後半から米デトロイトへ3週間渡って猛練習を積んだ。練習前のトレーニングやアップ方法を常に模索しながら、勝つための心を養ってきた。長光コーチは「この大会前に追い込んできて、疲れが残ったまま臨んだ中で、何とかまとめたところは偉いな」と褒めた。
3位に終わった全日本から、日本人初の連覇が懸かる世界選手権を前に完全復活を果たした。「いや、今日のパフォーマンスでは正直、世界選手権では勝てない。焦ってます。頑張って練習しないと」。さらなる猛練習が加わったとき、高橋は鬼に金棒になる。【今村健人】


