<テニス:ウィンブルドン選手権>◇2日目◇20日◇ロンドン、オールイングランドクラブ◇男子シングルス1回戦

 【ウィンブルドン=吉松忠弘】世界52位の錦織圭(21=ソニー)が、元世界王者に惜敗した。2002年覇者で元世界1位のレイトン・ヒューイット(30)に1-6、6-7、7-6、3-6の3時間7分で敗れ、本戦3度目の挑戦も大会初勝利はならなかった。

 元世界王者の壁は厚かった。錦織は、多種多様の球種で白熱したストローク戦を展開したが、ヒューイットの安定感抜群のショットに音を上げた。「チャンスをきちんと締められなかった。もったいない試合だった」。仕留める機会があっただけに、落胆も大きかった。

 2本のダブルフォールトがすべてだった。第2セット、5-4とリードした自分のサーブで、3本連続のセットポイントを握った。そのうちの2本をダブルフォールトで落とし逆転された。「サーブが入らずイライラがたまった」。相手の弱点のフォアをつき、流れは錦織にあった。それだけに逃した魚は大きかった。

 昨年はナダル、今年はヒューイットと、新旧の世界1位と初戦から対戦した。「初戦からは当たりたくない相手。しかし、いずれは勝たなくちゃいけない相手でもある」。テニスの聖地で味わった痛い敗戦こそ、錦織の未来への糧になる。

 錦織はダブルスにも出場するが、今大会後は一時帰国。7月2日に、東日本大震災の被災地を慰問予定だ。また、同月8日から神戸で始まる男子国別対抗戦デ杯ウズベキスタン戦に、日本代表として出場予定だ。