【ハミルトン(ニュージーランド)14日=益子浩一】日本代表が、主力を温存して明日16日のW杯1次リーグ・ニュージーランド戦(ハミルトン)に臨む。14日は試合地へ移動し、次戦の先発選手を発表。W杯2勝を目標にするジョン・カーワン・ヘッドコーチ(HC=46)は、善戦した10日のフランス戦から先発10人を入れ替えた。同HCは「ベストの布陣」と説明したものの、確実に勝算のあるトンガ戦(21日)カナダ戦(27日)に照準を合わせているのは明らかだ。

 フランス戦で全21得点を挙げて優秀選手になったSOジェームス・アレジ(32=ノッティンガム)も、俊敏な動きのSH田中史朗(26=パナソニック)も先発を外れた。外国出身選手が中心のカーワンジャパンには珍しく15人中、日本人13人の“和製布陣”。指揮官は「血と汗の結晶として(登録)30人の総力戦で臨む」としながらも「トンガ戦はビッグマッチ。トンガとカナダに2勝して最善を尽くしたことになる」と暗に温存策を認めた。

 14日付の現地紙ヘラルドは1面で、同国の英雄カーワン率いる日本対ニュージーランドの対戦を大々的に報道。注目度は高いが、日本にすれば真っ向勝負してもオールブラックスから勝ち点を得る確率は限りなく低い。控え組で優勝候補に食らいつき、残り2戦で勝ち星を稼ぐ皮算用だ。