<関東大学ラグビー対抗戦:明大23-17筑波大>◇19日◇東京・秩父宮ラグビー場

 明大が接戦を制し、白星発進した。対抗戦の台風の目と目される筑波大に逆転勝ち。前半に2トライを許しながら、後半27分にSH秦一平(4年)がスクラムから、12分後にはロック古屋直樹(3年)がモールから、それぞれトライを奪って突き放した。就任3年目を迎えた吉田義人監督(42)が掲げる伝統のFWラグビーで、15季ぶりの大学日本一へ1歩、前進した。

 紫紺の重戦車が、ゆっくり、確実に前進した。3点を追う後半27分、敵陣5メートルラインからスクラムで押し、最後は泰が中央へ飛び込んだ。この逆転トライで勢いづくと、同39分にはモールがつぶされてできたラックから、再びFWで前進。ドライビングモールから古屋が左中間へねじ込んだ。FWで押す吉田メイジのこだわりが、2度のトライシーンに象徴されていた。

 15季ぶりの頂点奪回を狙う。それだけに試合終了間際にモールからトライを返された場面に、吉田監督はあえて苦言を呈した。「あれは明治のラグビーじゃない。日本一になるチームは、ああいうトライを取られてはいけない」。学生時代、2度の日本一を経験している指揮官は、伝統を守りつつ名門復活へ采配を振るう。