フィギュアスケートの安藤美姫(24=トヨタ自動車)が、現役を“続行”することが明らかになった。4日に都内で、次世代の憧れとなる個人や団体の女性に贈られる「ロレアル

 エトワール賞」に選ばれ、授賞式に出席。迷っていた現役続行について「GPシリーズ2戦は、いろいろ考えて、いろいろ悩んで、出ると決めた」と、エントリーした中国杯(上海)とフランス杯(パリ、ともに11月)への出場を明言した。

 2度目の世界女王に輝いた後の昨季は1年間、競技を休んだ。今季はGPシリーズにエントリーこそしたものの、先月のアイスショーでも「まだ試合に向けての目標が見えてこない」と迷いがあった。事実、14年ソチ五輪は頭になく、バンクーバー五輪女王の金妍児(韓国)が復帰を表明したことにも「その決心は素晴らしいと思う。私は、五輪に向けた気持ちは今は考えてなくて…」と話した。

 それでも1歩進んだのは、周囲の言葉が大きかった。4年に1度の五輪を除き、毎年開催される国際大会ではGPファイナルだけ優勝経験がない。「『ファイナルの優勝を目標に頑張るのも良いのでは?』と言われて、ちょっと気持ちが試合に向いた。それを心から目標にして頑張れるよう、前に進みたい」。その先は-。心に火がつくか次第のようだ。【今村健人】

 ◆GPシリーズ

 米国、カナダ、中国、ロシア、フランス、日本の6カ国で行われ、男女シングルは1大会10人で競う。選手は基本、2大会に出場し、優勝15点、2位13点、3位11点、4位9点…と順位でポイントを獲得。合計点の上位6人がシリーズ王者を決めるファイナルに進出する。ファイナルで日本女子は03年に村主章枝、05、08年に浅田真央が優勝しているが、男子の優勝者はいない。