<ラグビー・全国大学選手権:東海大78-31同大>◇28日◇2回戦◇秩父宮
リーグ戦2連覇の東海大が6回目の出場で初めて4強入りを果たした。名門同大から12トライを奪って、78-31で圧勝した。準決勝(来年1月2日、国立競技場)の相手は、筑波大を59-25で下した昨季王者の早大。大学選手権では過去2戦2敗だが、FW、BK一体となった攻撃力と堅守を武器に立ち向かう。対抗戦を制した帝京大は摂南大に55-7と快勝し、法大も関学大を44-12で破り、2年連続で関東勢が4強を独占した。
東海大が悲願の大学日本一へ向けて初の正月越え、国立行きを決めた。就任11年目になる木村監督が「経験していないからこそ、できることがある。我々に守るものは何もない」と言えば、この日、3トライと気を吐いたフッカー岸主将が続いた。「国立に行くのが僕らの目標ではない。日本一です」。過去4度優勝の同大を圧倒し、フィフティーンのボルテージは一気に高まった。
平均体重102キロと同大より10キロ上回るFW陣が前に突き進んだ。12トライ中、8トライをFW陣が挙げた。前半5分、NO8マウが左隅に飛び込んで先制。26分には日本代表フランカーのリーチも1トライを奪った。圧巻はロスタイムに入った41分。なんと自陣インゴールに入ったボールをつないで、つないで最後はマウが左中間にトライを決めた。
昨季の2つの敗戦が躍進の礎となった。リーグ戦を初制覇したものの、関東学院大には1点差負け。大学選手権準々決勝の慶大戦ではフランカー宮本主将の脳振とう退場から、崩れた。岸主将は「関東学院大に敗れたのは個人の能力の差」。今季は春先から個人スキルの向上に努め、チーム戦略の練習はリーグ戦に入ってからだった。リーダー育成の必要性も学んだ。「1人1人が自立してほしい」と話す木村監督は、主将のほかに新たにFW、BKリーダーをつくった。
スポーツ推薦で入部してきた部員は各学年約20人いる。昨季は一昨季花園を制した東海大仰星から11人が加入するなど、強化は着々と進んでいる。一方でグラウンドのある湘南キャンパスの学生食堂にはアスリート向けコースもあり、ボリューム満点という。木村監督は「食べるのもトレーニング。必要なものは体に入れる」と言う。恵まれたラグビー環境の中、あとは結果を出すだけだ。
1つの壁を突き破り、一気に頂点へ。そういう意味では早大は待ち望んでいた相手、避けては通れない相手だ。ニュージーランドからの留学生リーチは「早大はスピードがあり、うまいチーム。でも、スキル自体は負けていない。相手より自分たちのプレーを心掛けたい」と自信を見せた。【三角和男】


