<ラグビー・関東大学対抗戦グループ:明大20-14帝京大>◇21日◇東京・秩父宮ラグビー場など◇2試合

 明大が12年ぶりに全勝で早明戦(12月5日・国立競技場)を迎える。昨季大学王者の帝京大を20-14で破り、開幕から6戦全勝とした。前半21分に先制すると、SO田村優(4年)が巧みにゲームをコントロールして、帝京大に競り勝った。明大が全勝で最終早明戦に臨むのは、優勝した98年以来。吉田義人監督(41)は、明日23日の早慶戦に「早大に勝ってもらって、全勝同士で対決したい」とエールを送った。

 田村が随所に光るプレーで、明大を勝利に導いた。WTB居迫の先制トライでリードしていた前半37分。田村が、帝京大の意表を突く40メートル近いドロップゴールを決めた。これで10-0と前半を折り返した。ドロップゴールは2シーズン前の慶大戦以来。「帝京のリズムがゆっくりなのでペースを変えるためと、点差を考えて。練習はしてません」というが、杉本主将は「練習通りです。チームが一体となって、あいつが機能して勝てた」と笑って振り返った。

 後半に入り、帝京大が反撃。同18分、17-7で帝京大がトライを狙ったゴール近くのラインアウトの場面で、またも田村がビッグプレー。モールから抜け出そうとした帝京大フランカー吉田光から、田村がボールをもぎとってターンオーバー。相手の反撃の芽をつみ取った。田村は「ボール中心に考えていたんで取っちゃえばいいかと。今年は300時間もコンタクト練習しているので、体にしみついています」と振り返った。辛口の吉田監督も「ここ一番に集中力を発揮する。素晴らしいプレーヤー」とほめ言葉を贈った。

 最終戦の相手、早大には日本代表にも招集された天才肌のSO山中がいる。田村は「一番張り合いのある相手、しっかり決着をつけたい」。国学院栃木入学時からラグビーを始めた遅咲きの大器が早明戦での勝利に燃えている。【小谷野俊哉】