<水泳世界選手権:競泳>◇26日◇イタリア・ローマ

 約2万人の大観衆のどよめきが止まらない。女子400メートル自由形で初めて4分を切った地元イタリアのペレグリニらが、実に6個の世界新を次々と樹立した。競泳は初日から新型高速水着が威力を発揮し、記録を出した選手自身も驚く異常事態となった。

 ペレグリニは今季注目の新型水着、イタリアのジャケド社製で3分59秒15の世界新をマーク。「スタート直前まで不安があったけど、泳いでいるうちに勝利を確信できた」。自身は4月にミズノと契約しており、水着のジャケドのロゴを消して泳いだ。

 「誰もわたしの活躍を予想していなかった。自分でもびっくり」と目を丸くしたのは、女子200メートル個人メドレーで世界新を出したクーカーズ。無名の20歳もジャケドを着た。アリーナ製「Xグライド」を着たビーデルマンは「水着がすごく助けてくれた」と効果をはっきり認めた。

 これだけ明白な結果が出ると、まさに「水着の世界選手権」の様相だ。日本代表の平井ヘッドコーチは「外国のコーチに、今大会は“新しい競泳”になると言われた。見ているとその通りだと思う」と苦笑するしかなかった。