日本相撲協会は15日午前、親方や力士、行司ら全協会員を対象にした賭博の実態調査結果などを監督官庁の文部科学省に報告した。広報副部長の八角親方(元横綱北勝海)は「大関琴光喜の件はおわび申し上げたい。今後も相談や指導を受けたい」と述べ、一転して明らかになった琴光喜関の野球賭博への関与などについて謝罪した。

 一方、川端達夫文科相は同日午前の記者会見で、相撲協会の一連の不祥事について「統治能力がしっかりしていない。真摯(しんし)にオープンに対応してもらいたい」と指摘、琴光喜関らの進退や処分は「協会自らが判断することだ」と述べた。

 八角親方は報告後「琴光喜の賭博関与は非常に残念。師匠や一門の親方が何度も確認したが否定し続けていた。裏切られた気持ちでいっぱいだ」と述べた。ほかの賭博関与者の氏名などについては「警視庁の指導もあり公表できない」とした。

 相撲協会は14日、賭博問題や暴力団の維持員席での観戦問題について文科省に対応を報告。その後、過去5年内に琴光喜関を含む29人が野球賭博に、36人が花札や賭けゴルフなどの賭博行為に関与したことを発表した。

 相撲協会は15日午後、東京・両国国技館で緊急理事会を開き対応について協議する。既に賭博関与者の資料を警視庁に提供しており、捜査を待って処分を決定する方針。