<大相撲名古屋場所>◇4日目◇13日◇愛知県体育館

 大関魁皇(38=友綱)が豊ノ島を下し、通算最多1045勝を挙げた。魁皇の母・古賀栄子さん(66)は、会場となる愛知県体育館で快挙を見届けた。

 以下、栄子さんの話。

 (記録は)すごいなとあらためて思います。本人が長く勤めて、頑張ってこれたから、記録が伸びた。1045の重さを感じます。

 やめる時期も近づいています。今後のことを考えたら、無理しないでほしい。本人も考えていると思うけど、「大けがしたら、車いすで親方をしないといかんよ」って言ってます。相撲も好きやから、やめたいけど、やめられない。頑張っているから負け越しないけど、無理をした頑張りじゃないかと、私としても深く考えてしまう。

 入門してからも、やめたら迎えに行こうという気持ちがあったことを思い出します。よくここまで1つの仕事を長くやりとげた。信念、我慢強さっていうのは、親じゃなかったとしても、いいことじゃないかと褒めてやりたいです。こっちに帰ってきた時、会話の中から思うのは、自分で決めた仕事を貫いていくことが、自分のしなきゃいけないことだという信念を持っているのだと思います。自分で相撲界に入って苦労した分、自分に負けて、戻りたくないのがあったと思う。

 九州場所の時、会うと暗い顔をしていた時もありました。いろいろあったみたいです、かわいがられたりとか。本人は多くを語りませんが、聞いたらつらいだろうなと思った。このまま連れて帰りたいと思ったこともありました。でも、体は丈夫だった。精神力が強く、我慢強いところもありました。

 最近の九州場所では、うちわとか紙で、応援してくれる人が増えました。横で見ていたら感動します。もう、自分の子であって、自分の子でないようです。