<大相撲九州場所>◇千秋楽◇27日◇福岡国際センター
昇進目安とされる直前3場所33勝に届かなかった稀勢の里(25=鳴戸)だが、審判部を中心とした協会内からの強い後押しを受け、大関の座を手中に収めた。審判部だけでなく、放駒理事長(元大関魁傑)までが土俵態度や将来性などを高く評価。そのクリーンさが大きかった。
2月に発覚した八百長問題で角界は大きく揺れたが、稀勢の里は一度も名前が浮上したことがない。審判部の藤島親方(元大関武双山)は「われわれは玄人。彼の内容がどれだけいいかは分かっている。ただの白黒だけじゃなく、胸に伝わってくるものがある」と断言。立ち合いの変化を一切しないあたりを、貴乃花審判部長(元横綱)は「けれん味がなく、真っ向勝負だ」とひたむきな取り口をたたえた。
関係者によると、審判部内では複数の親方が14日目の取組前に「10勝でも昇進させたい」と三保ケ関副部長(元大関増位山)らに強く意見し、内諾を得ていた。千秋楽午前に開かれた会議は5分足らずで終了。誰からも反対意見は出なかった。
直前3場所で優勝せず、32勝以下で大関になったのは、1985年名古屋場所後に合計31勝で昇進の大乃国以来。最近では異例の昇進劇となった。


