横綱朝青龍(27=高砂)が、武蔵川新理事長(60)の警告にびびった。10日、東京・足立区の境川部屋へ3日連続で出げいこをした。これまで場所前のけいこは2勤1休のマイペースだったが、この日は休みを返上。幕下以下の力士にも胸をかすなど優等生をアピールした。9日の新理事長の、問題行動には解雇も辞さないという発言に敏感に反応した。

 新理事長発言から一夜明けて、朝青龍が優等生を装った。場所前は2勤1休ペースで本来なら休むはずのこの日、あえて車で40分もかかる境川部屋へ出かけた。さらに「明日、あさっても、部屋でけいこする。ジムでもやっているしね」と急にけいこの虫になった。

 けいこ中も、関取衆の申し合い中に土俵に入ろうとしたところ、境川親方(元小結両国)に「(ウチの力士の)番数が少ないから、ちょっと待って」と止められ、素直に従った。5日の横審けいこ総見の申し合いで、本来は最後を締める横綱としては早すぎる序盤に土俵に入り、けいこを混乱させた姿はなかった。

 9日に武蔵川新理事長から、朝青龍の頻繁なモンゴル帰国や、まげを結わない姿が掲載された写真集に「昔の横綱では考えられない」と厳しい言葉をもらった。尿検査で大麻陽性が出た露鵬と白露山が即刻解雇されたこともあり、これまで通りでは危ないと察知し、マイペースを控えた。

 また写真集への批判にも「いいんじゃないですか」と言っただけ。しばらくは、こわもて理事長の出方を、慎重に見極めていくようだ。