日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で、力士、裏方など全協会員940人を集めて「相撲協会研修会」を開いた。08年に5人が逮捕され、6人を解雇するなど不祥事が相次いだことで、98年以来、10年ぶりに開催した。内容は「土俵上のマナー」「巡業の心得」など多岐にわたったが、主眼は不祥事の「再発防止」に置かれた。

 武蔵川理事長(横綱三重ノ海)は冒頭で「不祥事があったことは我々、指導者の大きな責任で大変な危機感を感じる。再発防止に力を入れていきたい」などと訴えた。ビデオ上映では「赤信号をわたってはいけません」などと一般常識をあらためて示す場面もあった。同ビデオは再発防止検討委員会が作成中の「力士常識マニュアル」の一部で、伊勢ノ海委員長(元関脇藤ノ川)は「こういうことから徹底することが大事」と強調した。さらに「力士の服装は着物が基本。関取が自宅から部屋に向かう際も着物」などとした。

 もっとも約2時間の研修会を終えると国技館前の横断歩道で信号無視する力士の姿も。朝青龍は「ためになった」と言いながら、服装について「部屋の近くでは(軽装)でもいいことに、(高砂)部屋ではなっているし」。ルールの徹底には時間がかかりそうだ。