<大相撲夏場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館
横綱朝青龍(28)が「痛い」黒星を喫した。強引につりを仕掛けたタイミングで日馬富士の外掛けを受けた。右腰から土俵にドスン。両ひじを土俵につけたまま、しばらく立ち上がれなかった。顔をしかめて土俵を下りると、付け人に肩を借りて花道を引き揚げた。目は充血し、報道陣の問いかけにも「うーっ」と返すのが精いっぱいだった。
風呂から上がると、7日連続で報道陣に背を向けた。腰の痛みからパンツをはく際も付け人の背に手を置き、噴き出す脂汗をぬぐった。関係者も「こんなふうに負ける横綱を見たこともないし、あんなに痛がることも初めて」。支度部屋を出る際、記者の「(痛めたのは)腰ですか」の問いに、ようやく「うん」とうなずいた。それでも車に乗り込むと、両国国技館前のライオン社に直行。予定されていたモンゴルに歯ブラシ約3000本を寄贈する発表イベントに出席し、同社幹部に、右腰を押さえながら「腰を打っちゃいまして~」と苦笑いを浮かべた。
目の前で白鵬が破れた。日馬富士に勝てば、千秋楽結びで白鵬に勝って自力優勝する道も開けたが、そのもくろみは崩れた。高砂部屋に戻り、休場の可能性を問う報道陣には「分からん。でも、出たい」。師匠の高砂親方(元大関朝潮)には「腰にひびが入っているかもしれませんが、頑張ります」と出場の意思を伝えていた。
優勝の可能性は残っているが、2敗目と負傷で24回目の優勝の道は険しくなった。賜杯を手にするには、白鵬に勝った上で、日馬富士が琴欧洲に敗れることが前提。この苦境を乗り越えて奇跡を起こせるか。【柳田通斉】

