横綱朝青龍(28=高砂)がCMで演じる「ファン太郎」が、年内で“引退”することが2日、分かった。今年1月から炭酸飲料「ファンタ」のCMに起用されたが、関係者は「2年連続同じキャラクターはない」と断言した。この日午後は「ファン太郎」がDJを務めるラジオ収録とCM撮影を行ったが、肝心の朝げいこは休み。万全には遠い状態で、名古屋場所(12日初日、愛知県体育館)の優勝どころか、このままでは「ファン太郎」より先に引退になってしまう!?

 ファン太郎、電撃引退-。朝青龍が炭酸飲料「ファンタ」(日本コカ・コーラ社)で演じるCMが、今年いっぱいで消えそうだ。関係者は「コカ・コーラ社さんは2年続けて同じキャラクターを使ったことがない。12月末までの契約を更新することはないと思います」と明かした。CM界の横綱を目指し、1月から6バージョンを演じてきたファン太郎だが、志半ば?

 で引退することになる。

 朝青龍はこの日午後、愛知・甚目寺町でDJデビューした。「ファン太郎」としてニッポン放送「オールナイトニッポン」(12日午前1時放送)に出演し、人生や恋愛相談に答えたという。30分の収録後は、約3時間の「ファンタ」CM撮影。今回は8月下旬から放送予定の第7弾で、すでに今秋オンエア予定の第8弾は収録済みという。関係者は「第8弾で完結する内容になっている」という。

 土俵外の活動は、土俵の充実があってこそ、だ。ところが朝、朝青龍はけいこを休んだ。部屋には出げいこ用に車が準備されたが、部屋関係者は「横綱は寝てました」という。6月30日から2日連続で計30番。疲れるほどの番数ではないが、恒例の「2勤1休」を貫いた形だ。今回は、協会からニッポン放送に「けいこに支障がないよう、午後の収録」と条件が出されていたが、関係なかった。

 けいこを休んだ後ろめたさがあったのか、収録は超厳戒態勢だった。朝青龍の乗った車の前には、「撮らないでください!」とスタッフが大の字になって撮影をさえぎった。今の朝青龍は、悠長にタレント活動するほどの余裕がない。左ひじと腰は完調ではなく、夏場所後1カ月間のモンゴル生活で体はブヨブヨ。このままでは、名古屋場所の優勝どころか、ファン太郎の前に引退しかねない。【近間康隆】