<大相撲名古屋場所>◇7日目◇18日◇愛知県体育館
白鵬(24=宮城野)が横綱の強さを見せつけた。3大関撃破の関脇稀勢の里(23)を左から突き落とし、初日から7連勝。史上2位タイの4場所連続ストレート勝ち越しに、王手をかけた。早くも今年50勝目で、05年朝青龍の年間最多記録84勝を上回りそうな充実ぶり。「好きな力士」で2年連続1位に選ばれるなど、強さでファンを引きつけている。横綱朝青龍(28)大関琴欧洲(26)も全勝をキープするなど、今場所初めて横綱、大関陣が安泰。大関琴光喜(33)ら4人が1敗で追う。
照れくさそうに笑った。風呂上がりの白鵬が腰を下ろすと、大勢の報道陣が足もとまで押し寄せた。「暑苦しいなあ~。大きい声でしゃべるから」。久しぶりに大人数に囲まれた。場所前からの主役は、何かとお騒がせの朝青龍と綱とりの日馬富士。次なる主役を狙った稀勢の里を退け、そのいすには座らせなかった。
冷静だった。稀勢の里の左おっつけを、左へ回りながらしのいだ。まわしにこだわらず、重心低く攻め続け、土俵中央で1回転。相手が体勢を崩した瞬間を見逃さず、左から突き落とした。余裕があった、の問いにニヤリ。3大関を倒してきた相手に「そういう気持ちはありますね」と、壁になる意気込みで戦った。
これが09年50勝目だ。今年、本割では2回しか負けておらず、8日目の岩木山戦に勝てば、05年に朝青龍が達成した年間最多84勝のペースに並ぶ。先輩横綱の記録を更新する可能性を知らされ「は~い。頑張りま~す」。ちゃかしながらではあるが、珍しく意欲を見せた。また、4場所連続ストレート勝ち越しを決めれば歴代2位タイ。横綱玉の海の6場所に次ぎ、栃錦、大鵬、北の湖、朝青龍の先輩横綱と並ぶ。
強い横綱に、ファンも正直だ。6月に中央調査社が行った「好きな力士」調査で、2年連続1位に選ばれた。お騒がせな朝青龍や人気者の高見盛を抑え、堂々のトップ。「好きなスポーツ選手」も昨年の19位から13位へランクアップし「みなさんのおかげです」と笑った。
後援会幹部は「朝青龍や日馬富士ばかり騒がれて『なにくそ』という気持ちのはず。横綱はもともと、寂しがり屋だから」という。持病の腰痛対策のため、番付発表後4度のはり治療を敢行。場所前に不安を一掃し、賜杯奪回への準備を整えた。「強くて人気のある」横綱は、土俵の上で魅せる。【近間康隆】

