<大相撲九州場所>◇初日◇15日◇福岡国際センター
横綱朝青龍(29=高砂)が、約3年ぶりに九州場所で勝ち名乗りを受けた。小結豪栄道(23)を2秒3のはたき込みで下して白星発進。07年はサッカー騒動で出場停止、昨年も左ひじ痛で全休したが、地元ファンの声援を背に緊張の初日を乗り切った。
朝青龍が、いつもより大きくゆっくりと手刀を切った。06年11月26日以来、1085日ぶりとなる九州場所での勝ち名乗り。「気合入ったね。土俵入りから久しぶりだなぁ…と。3年ぶり?
そういう意味では勝ってよかったね」とホッとした表情を浮かべた。
3年ぶりの九州場所とあって、取組前には「シャーッ!」と大きな声で気合を入れるなど、緊迫したムードで臨んだ。豪栄道に対して右から張り、左でかち上げる立ち合い。しかし、全盛期のようにはいかず、潜り込まれると、下がりながらはたき込み。「(あんなに)低いと思わなかったから。流れで残して。引きたくなかったけどね。よく見えていた感じだ」と支度部屋ではほっとした表情で話した。
07年同場所は母国モンゴルでサッカー騒動を起こして出場停止。昨年も左ひじ内側側副靱帯(じんたい)を損傷し、全休を余儀なくされた。力の衰えは顕著だが、心だけは充実させようと務めた。場所前にはチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世(74)に会って集中力を高め、けいこ場にもモンゴル国旗を掲揚して自身を鼓舞。秋場所では控えていた外食や飲酒も解禁し、場所直前には冬の博多名物アラを食べに行くなどでリラックスした。
とはいえ、不安要素もつきまとう。10日からひいているかぜが長引き、鼻声が治らない。そのことを指摘されると、報道陣に向かって「(手洗い用の)消毒液、支度部屋に置くように言っとけ!」。何とか白星発進したものの、最大の敵は自身の体調管理と、気持ちのコントロールにあるようだ。【山田大介】

