Q

 理事の仕事って?

 A

 協会の意思決定機関である理事会のメンバーとして重要事項を決める。協会トップの理事長は新理事選出後、理事の互選によって決まる。ちなみに理事の中でナンバー2とされるのは事業部長で、協会関係の収入部門の責任者。この職を経験しないと理事長にはなれないとも言われる。ナンバー3は巡業部長とされ、いずれも協会に金を生み出す要職とされる。

 Q

 選挙の方式は?

 A

 今回は親方衆107人、立行司2人、大関以上の日本人力士2人の計111人の「評議員」による投票で決まる。投票者は無記名で候補者1人を書く。一般的な選挙とは実情が違うのは、角界には系統別に分かれた「一門」と呼ばれるグループがあり、各一門内で立候補者を事前調整する慣習がある。そのため過去の理事選では無投票で終わることも多かった。

 Q

 一門単位で理事を出すメリットは

 A

 仲間の親方を、審判部や巡業部など協会の花形の部門へ引き上げられるとされる。また不平や不満などある場合、世話人や若者頭などの協会の職員枠をもらう場合などにも、便宜が図られることがあるとされる。

 Q

 理事は普通の親方より収入が多いのか

 

 A

 協会の支給規定(月給)によると、理事は144万8000円、副理事は126万9000円、委員は103万2000円、主任は87万5000円、平年寄は80万8000円で、これに年数によって勤続手当が5000円~2万円がつく。

 Q

 なぜ貴乃花親方は今回、一門を離れたのか?

 A

 二所ノ関一門からは現有の3枠を上回る4人が立候補を表明した(その後鳴戸親方が出馬取りやめ)。同一門の持ち票はその時点で29だったので、4人全員が出馬すると当選ラインとみられる10票前後に届かない候補者が出る恐れがあった。角界では年功序列を重視するため、4人で一番年下の貴乃花親方に立候補をやめるよう説得があった。だが貴乃花親方の決意は固く、一門の総意と違うため、飛び出す形になった。