<大相撲春場所>◇6日目◇19日◇大阪府立体育会館
大関とりへ視界良好!
把瑠都(25=尾上)が、身長が28センチ低い豊ノ島(26)との「関脇対決」を制し、自己タイの初日から6連勝とした。相手得意のもろ差しを許しながら、肩越しにつかんだ右上手投げで崩して、引き落とした。先場所敗れた相手に、今場所2度目のリベンジ成功。江戸時代の大関雷電と似た体格の「エストニアの怪人」が、大関昇進へまた1歩前進した。横綱白鵬(25)大関日馬富士(25)平幕時天空(30)も全勝を守った。
把瑠都は、仕切っている最中に作戦を変えた。決めていた「左四つ」から「突き放し」へ。取り口を変えるのは「今場所4~5回目かな」という。「相手がよく見えていた。小さいけどね」。初日からは09年初場所に並ぶ6連勝を満足そうに振り返った。
決してほめられた相撲ではなかった。突き押しをかいくぐられ、28センチも低い小兵に懐へ飛び込まれた。相手得意のもろ差し。しかし肩越しにつかんだ右上手からの投げで崩し、最後はバランスを崩した相手がバッタリ。「それが相撲でしょ。危ない相撲が一切なかったら、今ごろ横綱になってるよ」と言い放った。
先場所は豊ノ島に敗れたのをきっかけに優勝争いから後退した。「もう絶対に負けたくない」と意気込んでいた。これで、3日目稀勢の里に続く、先場所敗れた相手からのリベンジ星。把瑠都は大満足だった。
198センチ、188キロの巨体は、江戸時代の大関雷電のサイズに似る。雷電とは、東京・江東区の「富岡八幡宮」横綱力士碑に名を連ねる、勝率9割6分2厘を残した伝説の大関。把瑠都も「聞いたことあります。すごく強かったんだよね」と興味を示す。
雷電の生家のある長野・東御市は、尾上部屋のある東京・大田区とは友好都市。市役所関係者は「これも何かの縁ですので、ぜひ東御に来てほしい。雷電さんとのイベントも考えますよ」。世紀を超えた巨体の縁で「日本のふるさと」に名乗りを上げた。
打ち出し後は部屋へ直帰。食後は大きな体で部屋にこもり、日付が変わる前には眠る。日課はDVDで元横綱曙らの突き、押しを研究すること。「(硬さは)ちょっとあった。ちょっと立ち合いがね」。そんなマイナス要素も、規格外の体格とパワーで吹き飛ばしていく。【近間康隆】

