横綱審議委員会(横審)が、日本相撲協会とNHKの対応に「物言い」をつけた。26日、東京・両国国技館で定例会を開催。鶴田卓彦委員長(82)は、(1)一連の不祥事への対応について横審への直接報告がない(2)NHKは名古屋場所を生中継すべきだった(3)優勝力士への天皇賜杯は授与すべきだった、という3点を指摘。協会の諮問機関ではあるが、野球賭博問題などで蚊帳の外に置かれた形となっていただけに、厳しい意見をぶつけた。
横審として異例の50分にも及ぶ会合は、協会への苦言にも時間が割かれた。
(1)一連の不祥事への対応について
前回の横審は、夏場所後の5月24日。あれから2カ月の間に、解雇者が出て、新たな委員会は2つも立ち上がった。鶴田委員長は「横綱審議委員会も協会の問題についても関心を持っている。事前にいろんな動きがあることを説明してほしかった」。歌舞伎俳優の沢村田之助委員は「いろいろな委員会ができたが、長い歴史がある横審を無視したのはおかしいんじゃないのかと言った」と明かした。これに対し、村山理事長代行は「気づかなくて申し訳ない」と謝罪したという。
(2)NHKの対応
NHKの福地会長が委員を務めているが、名古屋場所の生中継中止について厳しい声が相次いだ。「会場に足を運べず、臨場感を楽しみに見ている多くのファンがいるはず。それを無視するのは、よろしくない」と鶴田委員長。秋場所の中継は未定だが「当然やるんじゃないの」と続けた。
(3)天皇賜杯
千秋楽で、賜杯を受け取れなかった横綱白鵬が涙を流したばかり。「(気持ちは)よく分かる」という鶴田委員長は「やめるべきじゃなかった。野球賭博やっていた人数は少なくないが、大多数の力士は真剣に相撲をやっていた。賜杯をなくすのは行き過ぎだ」と協会の対応を批判した。
横審は横綱推薦、その他横綱に関する諸種の案件につき、協会の諮問に答申し、またはその発議に基づき進言する諮問機関だが、沢村委員は村山氏が代行を務め、さらに代行が続投となったことに「なんでそうなるのか分からない。相撲をあまり見たこともないような人に、あまり口を出してほしくない」と手厳しく言った。1950年に発足した伝統ある横審。近年は、横綱朝青龍問題などで「ご意見番」的な役割も果たしてきた。だからこそ、「無視」されたことに、我慢がならなかったようだ。

