<大相撲秋場所>◇11日目◇22日◇両国国技館
「波乱」とは無縁の圧勝劇だった。横綱白鵬(25=宮城野)が、あまりにも無防備な阿覧を退けた。横綱相手に、新関脇はフワリと立ち上がる。相四つの両者は、土俵中央であっさりと右四つで組み合った。「いつもより見ながら立った。圧力が強かったけど、右も入ったし」。白鵬にこんなにも簡単に右四つを許せば、勝てるわけがない。攻めようともしない怪力を左上手で転がした。
ただ1人の全勝キープで、初場所14日目から勝ちっ放し。15代横綱初代梅ケ谷が明治初期にマークした「58連勝」に並んだ。当時は連勝中に休みや引き分けを挟むなど現代と基準が違うが、約130年ぶりに並ぶ歴代3位記録。支度部屋では、江戸から大正時代にかけての先輩横綱「谷風」「常陸山」「栃木山」らの名前を出し、「ネタになるから頑張ります」と笑った。
2場所ぶりの“賜杯”レースは、恒例の1人旅になった。花道へ向かう直前はテレビで琴欧洲の取組をチェック。2敗目を見ても「多少(意識は)ありましたけど、自分の一番に集中して」と顔色ひとつ変えなかった。初の4連覇はすでに当確ムード。「千秋楽までしっかり取りきることが大事」という白鵬には、歴史の頂へ挑む気持ちがみなぎっている。【近間康隆】

