大相撲の野球賭博事件をめぐり、NHK記者が警視庁による家宅捜索の情報を携帯電話のメールで知らせていた問題で、相手は時津風親方(36=元前頭時津海)だったことが9日、分かった。同日、東京・両国の時津風部屋で取材に応じ、メールを受信したことを認めた。一方、野球賭博に関する証拠の隠滅などは一切していないことを強調した。

 部屋のけいこは休みだったが、時津風親方は、訪れた報道陣を上がり座敷に入れ、困惑した表情で口を開いた。「一方的な迷惑メールみたいなもの。こちらから『教えてくれ』って言ったわけでもないし、返信もしていない。率直な気持ちとしては、ちょっと不愉快っちゃ不愉快ですね」と、心境を述べた。

 メールを受信したのは、7月7日午前0時ごろ。「あす賭博関連で数カ所が捜索されるようです。ガセ情報だったらすみません。NHKから聞いたとばれたら大変なので他言無用でお願いします」との文面だった。名古屋場所を控え、愛知・犬山市に滞在中だった。就寝中だったため、メールに気づいたのは7日朝。朝げいこのため、そのままけいこ場に降りた。

 その日の午前中のうちに、家宅捜索が行われ、携帯電話は押収された。捜査関係者によると、メールの情報に基づいて証拠隠滅が行われた形跡はなく、同親方もメールで何か行動を起こしたことは一切ないと説明した。30代のNHK記者とは3年ぐらい前に知り合い、何度か電話で取材を受けたが、最近は応じず、メールは唐突だったという。

 時津風親方は6月、自ら野球賭博への関与を認め、7月には日本相撲協会から1階級降格の処分を受けた。解雇された元大関琴光喜関と親しく、恐喝事件について相談を受けていたとされる。今回のメール問題については、警察から6日に事情聴取された。「今、警察が捜査中。相撲協会からも何か聞かれたら、ちゃんと答えます」と話していた。