角界きっての人気者の幕内高見盛(34)が、ファンに、所属する東関部屋への稽古見学を呼びかけた。12日、都内の友綱部屋へ出稽古後に話した。現在は八百長問題で本場所の再開が未定、年内の巡業が全て中止とあって、ファンとの交流の場が激減。これまでも稽古は一般に公開されていたが、広く認知されておらず、自ら呼びかけた。今後は社会貢献活動などにも乗り気で、今日13日は早速、部屋のある東京・墨田区内でのもちつきに参加する。

 気合十分の取組前と同じように顔を紅潮させ、高見盛は熱弁を振るった。「こういう時だからこそ部屋に来てもらいたい。相撲とは何かを知ってもらいたい。来ていただけるなら大歓迎ですよ」。友綱部屋への出稽古後、まわしに浴衣を羽織っただけの薄着ながら、ファンへの思いを問われると寒さも吹き飛んでいた。

 東関部屋の稽古は一般に公開されているものの、一般人には敷居が高い。それも踏まえて高見盛は「誰でも大丈夫。特に子どもたちとふれ合いたい。こういうことがあったけど、力士になりたいという子どもを1人でも増やしたい」と熱弁を続けた。地方巡業で定番の小中学生との「わんぱく相撲」は、人気者の高見盛が務めることが多いが、八百長問題で年内の巡業もない。「地方の方と交流できないのはさみしい」と悲しそうに話した。

 東関親方(元前頭潮丸)も「うちの部屋はいつでもウエルカムです」と、高見盛の考えを後押しする。この日のように出稽古の日もあるため、事前に電話などで確認してほしいことだけ付け足した。本場所再開は未定だが、この日の高見盛は若い衆を相手に20番取るなど精力的に稽古。「プロレスラーじゃないけど『いつでもどこでも誰とでも』が座右の銘。いつでも体を作っておく」と話し、同じ考え方のアントニオ猪木と、すれ違った話を披露する一幕もあった。

 日本相撲協会が9日に各部屋に配布した「自粛・奨励17カ条の心得」では、社会奉仕活動やボランティア活動も積極的に行うよう記されている。高見盛も「慰問とかであれば、どこへでも行きたい」と意欲的。今日13日には部屋のある墨田区でもちつき、19日には渋谷区の小学校と、ともに都内で社会奉仕活動をする予定だ。失った角界への信頼を少しでも取り戻そうと、草の根運動を展開するつもりだ。【高田文太】