大相撲の八百長問題を受けて、6月に予定していた関脇稀勢の里(24=鳴戸)の応援歌CD発売が、延期となることが21日、分かった。曲は「あゝ稀勢の里」のタイトルで昨年12月に完成。当初は老若男女を問わずアマチュアを対象に、4月上旬にオーディションを実施し、優勝者がCDデビューする計画だった。だが本場所の再開が未定で、オーディション延期を決定。歌手が決まらず、CD発売も延期となった。

 稀勢の里が昨年11月の九州場所で、横綱白鵬の連勝を63で止めた功績から、出身の茨城・牛久市にある後援会が計画していた。今月に入って後援会のホームページで公募し、この日までに19人の応募があった。うち18人は茨城県在住と、地域の活性化にも貢献。後援会事務局は「推移を見守りたい」と残念そうに話し、本場所再開が決まるまで延期の見込みだという。

 稀勢の里も応援歌発売について「うれしいよね」と話し、楽しみにしていた。それが大関取りの可能性があった春場所も中止と、二重のショックとなった。後援会立ち上げメンバーの山下晃生さんは「こういう時だからこそ盛り上げたいので、中止ということだけは避けたい」と、計画は延期となるが継続したい考え。八百長問題の余波は日を追うごとに拡大している。