八百長問題で揺れる日本相撲協会は22日、東京・両国国技館で理事会を開いた。特別調査委は八百長告白者に処分軽減案を提案し、理事会で承認された。疑惑の14人への再聴取を23日にも始める。そこで正直に話せば、慎重に検討という条件付きながら、処分軽減も考慮するという。放駒理事長(63=元大関魁傑)は「最終処分は理事会だが、調査も進めやすいということなので」と話した。

 伊藤滋座長は「とにかく協力してもらいたい。狙いは情報を多方面から集めるため」という。完全に手詰まりな調査の打開策。実際の処分として、故意による無気力相撲懲罰規定では除名が最も重いが、退職金がもらえる引退勧告にとどまるなどが予想される。

 関係者によると、理事会ではこの提言の賛否をめぐって意見が分かれたという。「厳罰を逃れるため、力士が虚偽の証言をしたら大混乱する」との懸念が相次ぎ、ある出席者は「爆弾を持たせるようなものだ」と猛反対。しかし伊藤座長が、3月中旬までに一区切りをつければ5月の夏場所開催に間に合うと述べると、流れは変わったという。