日本相撲協会が、技量審査場所(5月8日初日、東京・両国国技館)のインターネット中継に、実況・解説を付けることが27日、分かった。本場所でないため、NHKの中継はテレビもラジオもなし。同様のケースだった昨年の名古屋場所は、場内の音を除けば映像のみだったが、今回はファンに優しいネット中継になる。

 東京場所では恒例となった館内限定のラジオ「どすこいFM」も中止。その代わり、同FMで実況してきたアナウンサーが、インターネット中継を担当する。来場者向けから、全世界に向けた中継になるため、よりきめ細やかな実況を求められる。解説を担当する親方衆は日替わりの予定で、担当の調整に入っている。

 配信は十両土俵入りから、幕内の結びまで。すべての取組で、力士名を画面で紹介する。NHKのように多くのカメラによる中継はできないため、撮影は正面から。相撲協会はすでに、被災地の方に見てもらう方針を示しており、現在はどの避難所で映像配信が可能か、検討している。

 NHKは、本場所以外は契約外として、中継中止を発表。相撲協会は限られた人員と予算で、相撲をできるだけ多くの人の目に触れさせたいとし、手作り感あふれるネット中継の準備を進めている。実行のめどが立ち次第、正式発表される。