亡き師匠のために、幕内碧山(25)が、悲壮な決意を誓った。13日に急逝した田子ノ浦親方(享年46=元前頭久島海)の通夜が15日、都内で営まれ、約600人が参列した。部屋初の関取となった碧山は、目に涙を浮かべながら「思い切り、来場所、いきます。もっともっといい相撲を取ります。親方の教えてくれた相撲を取ります」と言葉を振り絞った。

 ブルガリアから来日したのは3年前。何も分からない状態から、指導してもらった。「日本語も全部、教えてもらった」。稽古場で、鍛えてもらった。「前に思い切りいく相撲です。ヒザをまげて、腰を下ろして…」。まだつたない日本語ながら、必死に思いを口にした。

 遺影は笑顔だった。戒名は「誠徳院啓優太善居士」。家族の意向もあり、出羽海部屋への転籍は、今日16日の告別式以降に発表されることになった。碧山は「親方が亡くなっても、頑張るしかない。親方のために、頑張るしかない」と必死な思いを打ち明けた。