大関稀勢の里(25=鳴戸)が、日刊スポーツの特別企画「大相撲総選挙」で1位の座を獲得した。十両以上の関取70人を対象に「好きな力士を1人、選んでください」というアンケート調査をウェブで実施。投票総数940票のうち、稀勢の里は最多132票を獲得した。

 稀勢の里は6日の朝稽古後、この結果を聞いた。浮かれることなく「気持ちが引き締まるし、応援して良かったと思ってもらえるような力をつけていきたい。今まで、期待に応えられたことは、1度もないと思っています。常に上を目指していく気持ちです」と話した。

 132票は、14%の票を1人で集めたことになる。男性からの支持が特徴で、70・1%に当たる93票を占めた。「優勝させたい」(50代男性)「横綱になれる器」(30代男性)「もっと強くなれそうな気がするので、応援しがいがあります」(30代女性)「未完の大器、日本人横綱として長期間、大相撲を引っ張ってもらいたい」(60代以上男性)など、今後への期待が多く寄せられた。

 2位は、横綱白鵬(27)がつけた。結果を知らさせると「(1位と)何票差くらいなの?」と興味津々。その差を聞くと「うーん、そう」とうなり、安美錦が3位に入ったことを知ると「おお!」と驚いた。得票の男女比は6対4で、万人から好かれる横綱らしい結果になった。ファンからは「最強横綱であり、人格人柄抜群」(60代以上男性)「相撲界を背負っているなと思い、応援せずにはいられません」(30代女性)「相撲に対するまじめさ、強さ。一人横綱として協会のトップとして責任を果たそうとしている態度に好感を持っている」(60代以上男性)などの声が続いた。

 3位の安美錦(33)は、女性票に推されて躍進した。女性票だけなら、全力士中最多の41票。男性からの31票より多く、過半数の57%を占めた。「いぶし銀の技とユーモアセンス」(30代女性)「曲者っぷりと鮮やかな出し投げがたまらない」(30代女性)「横綱、大関だけじゃない。こういう力士がいるから大相撲は面白いんです」(40代男性)など、業師っぷりを評価する意見と、人間性を推す声が入り交じった。安美錦は「こうやって見てくれてうれしい。もっともっといい相撲を取りたい。応援してくれると、また頑張ろうという気になるからね」とコメントした。

 そのほかの上位では、三役経験のない松鳳山が6位に躍進し「神7に入りましたね」と声を弾ませた。小気味の良い突っ張りが武器。本場所中の観客アンケートでも上位に顔を出すことが多く「気持ちのいい相撲をとるから」(30代女性)と、相撲内容が評価された。

 来場所は新三役の可能性もある妙義龍は8位。4大関を撃破した夏場所の活躍は記憶に新しく、「次期大関候補として期待をしているからです」(30代男性)との声もあった。隆の山は、十両ながらベスト10入り。体重100キロながら奮闘する姿は、ファンの票を集めた。

 ◆投票メモ

 投票は日刊スポーツのウェブサイト(https://www.nikkansports.com/)で、5月31日夜から6月5日午後1時まで受け付けた。得票総数はのべ940票で、男性517票、女性423票。年代別では10代45票、20代166票、30代285票、40代が257票、50代94票、60代以上93票だった。今回は、人気番付として東前頭15枚目までを結果発表した。投票いただき、ありがとうございました!