<大相撲夏場所>◇6日目◇17日◇東京・両国国技館

 新入幕で20歳の西前頭14枚目千代鳳(ちよおおとり、九重)が、38歳の東前頭9枚目旭天鵬(友綱)を破った。昨年の夏場所で初優勝したベテランを寄り切り、戦後8位となる「18歳差対決」を制した。少年時代からあこがれた大先輩からの勝利に、幕内での自信を深めた1勝となった。

 幕内最年少の千代鳳にとって、夢のような8秒間だった。「小学校、中学校からテレビで見てきた人たち。旭天鵬関も若の里関も、かっこいいなあって思っていた。しかも勝てるなんてうれしい。自信になりますよ」。興奮は支度部屋で風呂に入り、着物に着替えても収まらなかった。

 相手は幕内最年長、38歳の旭天鵬だった。立ち合いでにらまれると「緊張した。オーラがあったし、怖いと思った。目を合わせないで、思い切りぶちかまそうと思った」。立ち合いで左のほおを思いきり張られる洗礼を受けても「グッと力入れました」。ひるまず前に出ると2本差して寄り切った。

 この日の作戦会議も実った。今場所から九重部屋初の関取5人となった。稽古後は毎日5人で一緒に風呂に入り、情報交換するのが日課となった。「みんなから強さを教えてもらった。一番いいのはもろ差しか、突き放して一気の結論」。はたきに2度ヒヤリとしたが、思い通りの一番。千代大龍や千代の国らにも感謝した。

 旭天鵬も「元気いっぱいだな。オレのほうが力んだかな。やってやろうと思ったんだけど」と若者をたたえた。「相撲ならではだろうね。体と体をぶつけ合うスポーツの中で、これだけ年の差があるのは」。こちらも対戦を楽しんでいた。

 年の差は18歳と28日。「旭天鵬関が角界に入った時、僕はまだ卵もできていないですか?

 おなかの中ですか?」と報道陣に逆質問。戦後8位の記録には「師匠(元横綱千代の富士)が貴乃花親方とやった時より離れているんですね。よっしゃあ、記録つくれた」。取組を終え、国技館出口で待っていてくれた兄弟子たちとハイタッチ。喜びも若さにあふれていた。【鎌田直秀】