<ピンポン・ニッポン>

 石川佳純(16=ミキハウスJSC)は個人戦2度目の世界選手権を前に4月中旬から、平野早矢香とともに中国リーグに参戦した。「メダルを取りたい」という目標のため、上位進出へ最大の壁となる中国勢の本拠地に乗り込んで経験を積み、27日帰国する。

 打倒中国のヒントは意外なところでも発見した。昨年、三国志を描いた中国のアクション映画「レッドクリフPart1」を見て、夢中になった。三国志の世界に初めて触れ「孔明役の金城武さんが格好良すぎる!」と、16歳の乙女らしく、イケメン俳優に心を奪われた。だが次第に、天才軍師とうたわれた孔明の知性に興味が移った。

 石川

 (人数的に)不利な戦いでも、孔明が作戦を立てて勝つシーンを見てすごいと思った。卓球も同じ。世界選手権でも中国の選手は強いですが、私がその差を埋められる作戦はあるはずです。

 技術で真っ向勝負を挑むのではなく、駆け引きも大事にするつもりだ。「相手のバックに集中してからフォアを突いたり、その逆をしたり。いろんなタイプの選手に対して、相手の嫌な所を試合の中で見つけて、そこを突きたい」。道具もラケットを従来より10グラム重い180グラムでパワー化をテストし、サーブの回転や立つ位置を変えるなど、細部にわたって頭を働かせている。

 小6の05年全日本選手権で福原愛以来の小学生勝利を果たし「愛ちゃん2世」と呼ばれてから4年。日本では実績を積み重ねているが、昨年の北京五輪出場は逃し、まだ世界では知られた存在ではない。「世界選手権後の楽しみは(10日公開の)『レッドクリフPart2』を見に行くことです」。今大会で格上選手との決戦を制し、天才少女はスクリーン上の天才軍師と再会を果たすつもりだ。【広重竜太郎】