<東京6大学野球>◇第1週2日目◇13日◇神宮

 肩痛を訴え今春ベンチ入りさえできなかった法大のプロ注目右腕、武内久士投手(4年=徳島城東)が復活した。東大戦に3番手で登板し、最速150キロをマークして1回を3人で仕留めた。チームは8-3で連勝、エースの二神一人(4年=高知)は今季初勝利を挙げ、三嶋一輝(1年=福岡工)は最速155キロをマークした。立大は初先発の丸山達也投手(2年=桐光学園)が1失点で完投し、慶大に雪辱した。

 自己最速の154キロには4キロ及ばなかった。それでも法大・武内は満足そうな表情を浮かべた。「監督から『楽しんで投げろ』といわれた。その通りに、楽しんで投げられました」。

 ネット裏スカウトのスピードガンが向けられる中、第1球は速球がすっぽ抜け133キロ止まり。徐々に球速が増し、11球目に150キロをマーク。12球目は140キロの快速フォークで2つ目の三振を奪った。「スピードにこだわらず投げた。肩が温まってから力が入るようになりました」と振り返った。

 神宮は昨秋10月13日の早大戦以来のだった。今春の鴨川キャンプ終盤に痛みを感じた。MRI(磁気共鳴画像)検査を受けても原因は分からない。ノースローで、肩周囲の筋肉を強化するだけだった。その間に、チームは春のリーグを制して、日本一にも輝いた。

 「悔しかった。でも仲間が秋また一緒に優勝しようと励ましてくれて」。7月末からは捕手を座らせ、今は1日60~70球は投げられる。「秋はチームに貢献して4冠(リーグ制覇、明治神宮大会優勝)をつかみたい」。武内がこう言い切った。【米谷輝昭】