第1戦の菊池に続き、西武先発の榎田が9番甲斐への四球から崩れた。3回無死一塁、バントの構えをする9番打者に対して、ストライクが入らない。バントをさせて1死を取るべき場面だが、2球ファウル後に、フルカウントから直球が外れた。川島の犠打で1死二、三塁とピンチを広げ、2番上林に2ボールから真ん中に入ったスライダーを右翼席に運ばれた。

苦しくなってど真ん中に投げるぐらいなら、最初からストライクゾーンで攻めなくては抑えられない。互いに12球団屈指の強力打線で、甘く入れば1発がある。パワーピッチャーではない榎田はコントロールと緩急で打ち取るタイプ。慎重になるのは分かるが、もっと捕手のリードを信じて、ストライクゾーンで勝負しないと、苦し紛れのボールは見逃してくれない。

一方の千賀は、ストライクゾーンの中で攻め続けた。3回に連打で無死一、二塁とピンチを招いた場面も、9番金子侑に対して、ストライクゾーンの直球とフォークで追い込み、3球三振に打ち取った。榎田とはタイプの違うパワーピッチャーだが、プロ初の中4日の先発で、5回78球を投げて1四球と役割を果たした。

第1戦は西武菊池が4回2死一、二塁から9番甲斐に四球を出して、そこから5失点。第2戦はソフトバンク投手陣が計10四死球と崩れ、3試合とも勝負どころの四球が勝敗を分けている。西武投手陣は2番手十亀も3四球を出すなど、計9四球。日本シリーズ進出へ、互いの強力打線に対して、バッテリーがどこまで逃げずに攻め切れるかが勝敗を分けるカギになる。(日刊スポーツ評論家)