白組で先発したオリックス山本は2回4奪三振と圧巻の投球を見せた(撮影・渦原淳)
白組で先発したオリックス山本は2回4奪三振と圧巻の投球を見せた(撮影・渦原淳)

先発復帰に挑戦中のオリックス山本由伸投手(20)が、今季初実戦で奪三振ショーを演じた。11日、宮崎キャンプの紅白戦に白組で先発し、最速147キロの直球に5種類の変化球を絡ませ、2回を無安打無失点、4奪三振。打者6人で片付ける完全投球を見せた。日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏(65)はリリーフからの転向をかける山本の投球を解説した。

◇  ◇  ◇

山本の投球内容は、リリーフから先発への転向を強く意識していることをうかがわせた。2回6人の打者に対し、4人から三振を奪ったが、そのうち3人までが「5球以内」で仕留めたものだった。 楽天監督だった当時、奪三振を続けた則本の球数の多さを気遣ったことがある。そして三振をとるなら「5球以内」を理想に掲げた。三振に固執するあまり投球数がかさむと、次の登板に影響を及ぼすからだ。 その点、山本の計25球のピッチングからは、できるだけ球数を抑えながら、できるだけ長いイニングを稼ぐ投球を心掛けていることが感じられた。 昨季まで直球、スライダー系の球種で勝負するタイプだった。2回1死。頓宮を0-1から2球続けてのカーブで三ゴロに打ちとった。今までカーブを続ける配球など見られなかったから、ここもリリーフ役から変わった点だった。 今後は実戦でイニングを伸ばしながらのテストが続くはずだ。このまま順調に進めば、先発として十分に通用する。 (日刊スポーツ評論家)

オリックスキャンプを訪れ、西村監督(右)とあいさつを交わす梨田氏。中央は山田氏(撮影・渦原淳)
オリックスキャンプを訪れ、西村監督(右)とあいさつを交わす梨田氏。中央は山田氏(撮影・渦原淳)