ソフトバンクが9日から1ゲーム差で迫る2位ロッテと、首位攻防3連戦(ペイペイドーム)を戦う。8日の西武戦は延長10回の執念ドロー。日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(50)は、今後の戦いを見据え、3年ぶりV奪回のキーマンに中村晃外野手(30)を指名した。右足痛の影響も残るが、頼れる選手会長のバットがカギを握りそうだ。【取材・構成=浦田由紀夫】

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-10月に入って4連勝でスタートしたホークスだが、ビジター西武との3連戦で2敗1分けで福岡に戻る。今日9日からの2位ロッテとの首位決戦を前に、勢いをつけたかったが簡単にはいかなかった。この日も中継ぎ陣の踏ん張りで負けなかったが、打線は追加点が取れずに勝ち切れなかった面もある。

浜名氏 今井を打ち崩せたが、2番手投手以降は打ててない。昨日(7日)もそうだが、中押し、ダメ押しがないとやはり勝てない。

-今井は3回でKOしたが、4回以降は先頭打者周東の二塁打の後は10回まで打者24人安打がなかった。ロッテとの決戦を前に、打線ではいい材料がなかった。

浜名氏 ロッテ戦だけに限らないが、今後の戦いは中村晃がポイントになりそうだ。チャンスで回ることが多い。そういう打順で組んでいるんだろうが、彼が打てば勝っているし、打てなければ苦しい展開となっている。

-中村晃は右足痛のため4日の日本ハム戦を欠場。6日西武戦は代打出場、7日からはスタメンに復帰している。離脱せずに済んでいるが影響はありそうだ。今季の中村晃のカード別打率では、対西武3割2分5厘、対ロッテ3割1分9厘。今季残り25試合中、16試合と多く残している2チームを「得意」としている。

浜名氏 今日は今井を打てたが、4回の小川相手に進塁打を打ててないし、昨日は2度のチャンスで凡退した。彼らしくない面があるのは少し心配だが、調子を上げてくれると期待している。

-今季盗塁王争いでトップを独走する周東が2回2死一、三塁で二盗に失敗した。この判断について浜名氏は苦言を呈した。

浜名氏 打者が今井に相性のいい中村晃だったことを考えれば初球から走ることはなかった。相手バッテリーにも読まれて外されていた。もう少しじっくり待てば、チャンスも広がり、もっと大量得点の可能性もあった。これからの戦いでも、こういう判断力もカギになる。