近鉄、日本ハム、楽天で監督を務めた日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏(67)が13日、中日-DeNA(北谷)の練習試合を虎目線でチェックした。戦力的に上回る阪神に、“取りこぼし厳禁”を強調した。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

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新たに就いた三浦監督の野球は、前任者とは大違いだった。ラミレス監督は積極的に小技を繰り出す作戦は取らなかった。しかし新監督の初陣となった中日戦は、エンドランを仕掛けたかと思えば、積極的に盗塁のサインを繰り出した。

ただ戦力分析をしたとき、投打で阪神が上回っているのは明らかだ。特にDeNAの場合は、政府の新型コロナウイルス感染防止による外国人の入国制限の影響をもろに受けているから悩ましい。

阪神戦で働いたソト、オースティンら主力打者をはじめ、10人の助っ人がキャンプに合流できていない。昨季の阪神はソトに7本塁打を見舞われた。オースティンには打率3割4分を稼がれ、6本塁打を浴びた。

阪神も、投のアルカンタラ、打のロハス・ジュニアの来日が遅れている。だが、DeNAは梶谷、井納らの主力がFAで巨人に流出したことで阪神を上回るのは難しいとみる。

また、阪神は、捕手が梅野、二遊間が糸原、木浪、中堅が近本と、センターラインがひとまず固まっている。逆にDeNAは、現時点でこれが固定できていないのが大きな弱みだ。両チームは、センターラインにも差が見受けられる。

阪神が追い込まれるとすれば、DeNAに「捨て身」で戦ってこられるときだろう。外国人がそろってベストメンバーを組めるようになれば得点力がはね上がるのは間違いない。上位を狙う阪神は、それまで絶対に“取りこぼし”をしないことだ。

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ノックを終えサブグラウンドから引き揚げる阪神矢野監督(撮影・前田充)
ノックを終えサブグラウンドから引き揚げる阪神矢野監督(撮影・前田充)