阪神が2度目の5連勝を飾った。借金は4月5日以来2カ月ぶりの「8」まで減らした。初の交流戦優勝へ、2位の好位置をキープしている。日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏(68)は3ランを放った大山悠輔内野手(27)が「きっかけ」を得たとみた。

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阪神は“最下位対決”で3タテを食らわせ、セ・リーグ5位が見えてきた。わずか1点リードだった8回に、日本ハム堀の自滅で、1イニング2安打だけで4点が入った。

梨田 チームにとってはこういうメリハリの利いた勝ち方ができたことが大きい。つまり1点リードの4-3のままなら、9回は岩崎が投入されていたが、8回に堀による3四死球というミスに乗じて4点を取ることができた。この一戦に投げていれば岩崎は3連投になっていたが、投打がかみ合ってダメ押しの追加点を得たことでストッパーを休ませることができた。これが大きい。阪神はカード初戦で6点差を逆転勝ちしたことで弾みをつけた3連戦だった。

そのカード初戦に、上沢、堀から1試合3本塁打を放った大山が、3回2死一、三塁の場面で左越え3ランを突き刺した。

梨田 大山は化けかかっている。第1打席の2-1からの4球目、日本ハム吉田の内角球を打ちにいったが左方向への大ファウルになった。手首が早く返った当たりだった。でも第2打席目の3回のホームランは、同じようなコースの球だが、うまく内からバットが出て切れずにスタンドに持っていった。今までのように力んで打っている感じではないし、大山にとってはなにかをつかんだ3連戦になったに違いない。

ロッテ、西武、日本ハムに3カード連続の勝ち越し。来週はアウェーのソフトバンク、オリックス6連戦を控えている。

梨田 そこは日本ハム戦のようにはいかないだろうが、最低でも5割(3勝3敗)、できれば4勝2敗で乗り切ることができれば先は見えてくる。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対日本ハム 3回裏阪神2死一、三塁、大山は左越え3点本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対日本ハム 3回裏阪神2死一、三塁、大山は左越え3点本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対日本ハム 3回裏阪神2死一、三塁、左越え3点本塁打を放ち矢野監督(左)からメダルをかめてもらう大山(撮影・加藤哉)
阪神対日本ハム 3回裏阪神2死一、三塁、左越え3点本塁打を放ち矢野監督(左)からメダルをかめてもらう大山(撮影・加藤哉)
阪神対日本ハム 3回表阪神2死一、三塁、大山(右)は左越え3点本塁打を放ち、佐藤輝の祝福に笑顔を見せる(撮影・前岡正明)
阪神対日本ハム 3回表阪神2死一、三塁、大山(右)は左越え3点本塁打を放ち、佐藤輝の祝福に笑顔を見せる(撮影・前岡正明)