中日根尾昂外野手(22)が、本格的に投手に挑戦することが決まった。13日、立浪和義監督(52)がリーグ戦再開に合わせて、外野手から投手登録に変更することを明かした。

今後は1軍に同行しながら二刀流で投手練習を進める異例のプランで、シーズン終盤での先発起用を見据える。今季終了後には、投手に専念する方向だ。

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根尾の「投手登録」はいい決断です。私は「投手・根尾」を見てみたいと、言い続けてきましたが、それは中途半端な野手との二刀流ではなく、あくまで投手としての根尾。水面下で構想がスタートしたとされるキャンプから時間はかかりましたが、本格的に投手にチャレンジさせるのであれば、全面的に同意します。

根尾はもともと「投手」というのが私の見方です。大阪桐蔭時代は遊撃手としても活躍しましたが、日本一には投手としてもっとも貢献したと見ています。すでに敗戦処理で2試合に登板。画像でしか見ていませんが、ストライクを簡単に取れている。これこそが「投手」の証拠なのです。

いかに敗戦処理でも、プロの打者相手にストライクを取り、アウトを重ねることは容易ではありません。何年も投手の練習をしていても、試合でストライクを取ることに四苦八苦するピッチャーもいる中、簡単に出来てしまうところに大きな魅力があります。

だからと言って、リーグ戦が再開して、すぐに大きな戦力となるかと言われれば、そう簡単ではないでしょう。投手が本職となれば、それが商売となるわけですから、メンタル面ではそれゆえの怖さも生まれるでしょうし、違った向き合い方が必要となります。投げ方や新たな球種の取得など、技術面でもひとつひとつ階段を上っていかなければなりません。

だからこそ、これだけは言っておきたい。焦る必要などまったくありません。高校を出て4年目。大学進学していたら4年生です。ここまで培った野手としての経験値は、どのドラフト候補と比較しても負けるはずがありません。焦ることなく、自信を持ってチャレンジして欲しいと思います。(日刊スポーツ評論家)