阪神は中日のありがたいミスも手伝って、サヨナラ勝ちを収めることができた。最終回はさておき、1、8回の得点したイニング以外は、チャンスらしいチャンスはなかったが、終盤のリリーフの踏ん張りによって勝機を見いだした。

この3連戦の流れからいっても、序盤の3点リードは完全な阪神ペースだ。それを守り切れなかった西純は、中日の作戦に振り回されたわけでなく、ひたすら打たれるだけで同点、そしてリードを許した珍しい点の取られ方だった。

今季の阪神はメンバーをとっ替えひっ替えしながら戦ってきた。これからもスタイルを変えることはないはずだ。交流戦の終盤から西純の投球には疲れが感じられたので、このタイミングでリフレッシュさせるのはチームが戦い抜く戦略といえる。

ここはファームに控えている藤浪、才木らの出番だ。それは勝ちパターンの湯浅、岩崎らにも言えることで、“抑え”を固定したいのはやまやまだが、それぞれの状態は、難しいところに差しかかってきた。このポジションの代替案もポイントになってくる。

そして、あらためて感じたのは「二塁」「左翼」「右翼」のポジションについては、現在ファームにいる選手にもチャンスが与えられる可能性があるということだ。それは外国人ロハスのチャンスにもろい打撃からも見てとれた。

今後も投打にメンバーの入れ替えを繰り返しながら、戦っていくだろう。打つほうでいうと、近本、佐藤輝、大山以外の固定は考えにくいということだ。その意味でも、ここから上位浮上を狙う夏場こそ、ベンチのやりくりはカギを握っている。

(日刊スポーツ評論家)

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阪神対中日 力投する阪神西純(撮影・上山淳一)
阪神対中日 力投する阪神西純(撮影・上山淳一)
阪神対中日 5回表中日1死満塁、打者A・マルティネスを前に降板となりベンチからグラウンドを見つめる阪神西純(手前)(撮影・上山淳一)
阪神対中日 5回表中日1死満塁、打者A・マルティネスを前に降板となりベンチからグラウンドを見つめる阪神西純(手前)(撮影・上山淳一)