阪神のドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)が、地元横浜で豪快な1発を放った。

9-5とリードして迎えた7回、1死一塁でDeNA左腕石川の5球目の変化球を、泳ぎながらもとらえた。打球は左翼席で弾み、阪神ファンから歓声が起こった。阪神の右打ち新人がオープン戦で2本塁打したのは、87年八木裕2本以来36年ぶり。日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(54)が解説した。

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阪神はドラフト1位の森下を3番打者に置いてシーズンを始めてもおかしくない状況だ。岡田監督の当初の構想では新加入のノイジーをそこに置こうとしていたと思う。だが故障もあっての調整遅れ。ここまでの状況を見ても現段階では厳しい感じだ。

ノイジーに比べて、試合数を重ねてきても森下はずっといいものを見せている。この日も本塁打を含めて結果を出した。こんな姿を見せられると、当然、ベンチは期待するだろう。

オープン戦のいま、岡田監督は森下に経験をさせている段階だ。外野フライを打てとか、右打ちをしろなどの細かい指示は出していないはず。それよりもローテーション級の投手に対して、どういう姿を見せるかということをじっと見ている段階だろう。

その視線の前で森下は結果を出している。それならそのまま使おうという考えになっても何もおかしくない。もちろんノイジーの状態が上がってくれば、また別だ。外国人選手はシーズンになるとまるで違う様子になるのはよくあること。そうなれば、そのときの森下の状況を見て判断すればいいことだし、言うまでもなく経験豊富な岡田監督はそれを分かっている。

森下にとって幸運なのはチームにいい打者が多いことだ。佐藤輝、大山、さらに好調・原口らの好打者、それも比較的年齢の近い選手がいる。新人の自分が打たなければ…という状況ではないし、周囲の打者をよく観察、勉強できる環境にある。これは大きいし、それで森下が成長すればチームにとってプラスなのは言うまでもない。

DeNA対阪神 1回裏DeNA1死一、二塁、森下は大田の打球を処理する(撮影・上田博志)
DeNA対阪神 1回裏DeNA1死一、二塁、森下は大田の打球を処理する(撮影・上田博志)
DeNA対阪神 スタンドで観戦する森下翔太の父・善文さん(左)と母のゆりさん(撮影・上田博志)
DeNA対阪神 スタンドで観戦する森下翔太の父・善文さん(左)と母のゆりさん(撮影・上田博志)