エンゼルス大谷は、またも同地区のアストロズに黒星を喫した。アルバレスに打たれた1本目の本塁打は、外からのスイーパー(大きく横に曲がるスライダー)だった。追い込みながら、あのタイミングで前で拾われるというのは、相当にスイーパーが頭に入っているという証拠。狙いを絞ってきていた。

野球は「間」があってのゲームだが、米国はピッチクロック(無走者で20秒、有走者では15秒以内に投球開始するルール)で配球を考える時間がなくなっている。真っすぐの後はスイーパーなど、単純なことしか考えづらい。ルールなので仕方ないが、相手の出方や見逃し方などを自分でよく見極めるしかない。スイーパー狙いは明らかだっただけに、絞らせないためにも、2回以降もスプリットなどを交える必要があった。

ここまで平均35%だった空振り率(空振り÷総スイング)が、この試合は15%と今季最少だった。メジャーはデータ分析が進んでおり、同地区ではなおさら研究材料が豊富。打者ごとに対策をしている印象を受けた。高めの直球は伸びがあって、今季ワーストの被安打9という数字ほど内容は悪くなかった。エースとして同地区の球団に3敗はできない。相手を上回る対策を講じたい。(日刊スポーツ評論家)