阪神が完封で今季ワーストの6連敗を阻止した。先発の才木浩人投手(25)が今季2度目の「1-0完封勝利」を飾り、リーグトップタイの6勝目。日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(40)は9回無死一、二塁からストレート勝負を続けた右腕の精神力に感嘆した。【聞き手=佐井陽介】

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阪神才木投手は最後、「打てるものなら打ってみろ」と開き直っていたはずです。相手は4戦連続で9回に同点に追いついている11連勝中のロッテ打線。1-0の9回裏に内野安打を含む2安打で無死一、二塁とされた時、球場は異様な空気に包まれていました。並の精神力なら縮こまってしまう場面。ここでソト、ポランコの強力助っ人勢を相手に7球連続でストレートを投げ込める気迫と技術が、才木投手の最大の武器です。

無死一、二塁では4番ソト選手に2ボール2ストライクから2球連続で内角直球を選択。フルカウントから強さ、コース、高さともに完璧な1球を投げ込み、どん詰まりの遊ゴロ併殺打に仕留めました。そして、5番ポランコ選手には5球連続でストレート勝負です。最後は2ボール2ストライクから押し込んで二ゴロを奪いました。110球目から150キロ級の直球を続け、7球連続ストレート締め。逃げたくなる感情を完全に排除した、本格派投手のかがみと表現できるゲームの終わらせ方でした。

特にソト選手に対するフルカウントからの1球は至極のボールでした。低めのフォークを選択した場合、見逃されれば無死満塁。少しでも浮けば痛打される可能性が高くなります。直球を厳しいコースに投げ込むしかない場面で、その通りの1球を投げ込めたわけです。これで今季2度目の「1-0完封勝利」で連敗ストッパーの役割も今季4度目。先発ローテの大黒柱に成長しつつあります。

今季の才木投手はスライダーの比率を増やしたことで、打者にストレートとフォークの二択ではなく、三択目となる曲がり球も意識させられています。曲がり球を頭にチラつかせることで、直球で押し込める確率がさらに上がっています。最後の最後、勝負どころでストレートを選択し続けた才木投手。その生きざまを見せつけられました。(日刊スポーツ評論家)

ロッテ対阪神 9回裏ロッテ2死三塁、ポランコを二ゴロに仕留め、ガッツポーズする才木(撮影・前田充)
ロッテ対阪神 9回裏ロッテ2死三塁、ポランコを二ゴロに仕留め、ガッツポーズする才木(撮影・前田充)
ロッテ対阪神 完封勝利を挙げ笑顔でガッツポーズする阪神才木(撮影・前田充)
ロッテ対阪神 完封勝利を挙げ笑顔でガッツポーズする阪神才木(撮影・前田充)