去年の阪神と今年はどこが違うのか、データを元に分析した。まず、四球数が昨年は586個で1試合平均4・09、今年はまだ途中だが同3・63。

数字だけなら微差に感じるかもしれないが、この0・4差は、90試合に換算するなら36個差。出塁36度の違いとなれば、攻撃面での大きな戦力ダウンだ。

では、減少の要因はどこにあるか。90試合消化時点で主軸に打率2割5分を超える打者がいなかった。これでは相手チームは怖くない。ストライク先行で、おのずと四球は減少。そういう関係性が見えてくる。

加えて盗塁も昨年が79(失敗29)に対し、今年は28(同27)。四球による出塁も減り、さらに盗塁も大幅減という現状では、昨年のような快進撃を見せられないのも理解できる。

投手陣はどうかと言えば、防御率は昨年が2・66に対し、今年はここまで2・25とよく踏ん張っている。この日先発の才木のように、確実に試合を作っている。つまり、安定した投手力に対し、攻撃力がチーム苦戦の原因と言える。

その背景を踏まえて巨人とのカード初戦を見たが、データを覆すような、仕留めるバッティングが光った。特に6回、継投に入った中川が制球に苦しむ中で3連打。大山が3ランで試合を決めるが、佐藤輝、大山はいずれも初球をミスショットなく打っている。8回の森下も初球をとどめのソロとした。

ここが阪神が上がっていくためのポイントとなる。チーム打率は球宴前が2割2分5厘、球宴後は3割7分0厘。甘いボールをミスショットしないこと。それが相手に恐怖心を与え、四球増、ひいては勝利に直結する。昨年、阪神は8、9月に大きく勝ち越している。まだまだここからだろう。(日刊スポーツ評論家)

阪神対巨人 8回裏阪神無死、森下は左越え本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 8回裏阪神無死、森下は左越え本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 6回裏阪神無死一塁、佐藤輝は右前打を放ち2安打とする(撮影・前田充)
阪神対巨人 6回裏阪神無死一塁、佐藤輝は右前打を放ち2安打とする(撮影・前田充)
阪神対巨人 6回裏阪神無死一、二塁、大山は左越え3点本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 6回裏阪神無死一、二塁、大山は左越え3点本塁打を放つ(撮影・加藤哉)