9時にソフトバンクのキャンプ地に到着して、全体練習のアップから見ていた。早めに来て、確かめたいことがあった。
20分過ぎに、三塁側ベンチから山川が姿を見せた。7時30分には球場に着き、ランニング、キャッチボール、ノック、バッティングを消化している。主力だからこそ、認められるスタイルで、チーム練習がランニングに入るころ、1人で右翼フェンス沿いにハーフダッシュを繰り返していた。
ベテランだからこその個別スタイルだが、注目したのはその山川に師事しているリチャードだった。山川と同じスケジュールで球場入りし、全体練習にも最初から入り、意欲的に動いていた。
ランニングでは先頭を走る。ラダーを使ったトレーニングでも、第1組に入り、個々のメニューでは4人組のトップで走り抜く。並べたラダーがズレると、サッと真っすぐに直す。テキパキとした動き、周りに目を配る姿勢が新鮮だった。
独自調整を認められている山川と、その山川に食らい付き、全体練習でも緊張感を維持するリチャードには、これまでのシーズンとはひと味違うものを感じる。むろん、実戦が始まりバッティングで答えを出すしかないのだが、特にリチャードは、自分を変えようとしている。
ソフトバンクのレギュラーは侍ジャパンのメンバーという位置付けだ。それだけ能力ある選手の集合体だ。今季の予想スタメンを考えても、流動的なのは捕手とDHのみ。そのDHも柳田と近藤が最短距離にいる。
リチャードが食い込むならDH枠になる。ならば、もう理屈抜きで打つしかない。それを踏まえて、山川に教えを請い、そしてハードなメニューにトライする。今は真っすぐのミスショットをなくすことに主眼を置くと聞いた。DHを狙うなら、そこは完璧に仕上げてほしい。
発奮材料もある。日本ハムに現役ドラフトで移籍した水谷が昨シーズンに大ブレークした。侍ジャパンの最終候補メンバーに入るほど急成長する姿を見て、リチャードの心中には燃え上がるものがあるはずだ。負けられないとの闘志をエネルギーに変え、試練のキャンプを全力で駆け抜けてほしい。(日刊スポーツ評論家)




