阪神村上の立ち上がりは、ボールの走りからも決して良いとは思わなかった。前回登板した広島戦(4月18日、4回7安打5失点)でふがいない投球だったから、不安な気持ちも入り交じっていたかもしれない。
その村上を立ち直らせたのは、巨人サイドの攻撃だった。広島が村上攻略に成功したのは、ミーティングにも上がったはずだ。巨人は制球力の高い村上に対して早いカウントから打ちにいったが、その攻撃が裏目に出たといえる。
逆に阪神は大山の適時打で先制し、佐藤輝が3点本塁打を放つなど、手厚い援護によって村上の調子は上向いた。巨人の攻撃が村上の不安を打ち消し、そして立ち直らせたと言える。あとは捕手坂本の意図をくんだ投球でしっかり応えた。
阪神の戦いを見ていると、森下、佐藤輝、大山らクリーンアップの本塁打で勝負を決めるといった、最近見受けられなかった攻撃が続いている。チームにとって打つべき人に効果的な1発が飛び出して勝つのは気分がいいものだ。
今の阪神は力をつけながら強くなってきているように見える。ただ巨人も特に後ろのピッチャーがそろっているのは、阪神リリーフの台所と比べても遜色がないし、むしろ上かもしれない。
セ・リーグが上位と下位が分かれてきたとの見方もあるが、わたしはそうは思っていない。今は調子が出ていない下位チームも息を吹き返してくるとみているからだ。どのチームも交流戦までは、ゴチャゴチャと混戦になるだろう。(日刊スポーツ評論家)




