阪神が今季最長6連勝のあと、今季4度目の2連敗を喫した。9連戦初戦を黒星発進した。

先発才木浩人投手(26)が1-1で迎えた5回2死一、二塁、板山に勝ち越しの適時二塁打、上林に中前2点打を浴びて一挙3失点。今季3敗目を喫した。日刊スポーツ評論家の権藤博氏(86)が5回の投球を解説した。

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阪神才木が5回に3点を失ったが、ここは2つのポイントがあった。まず1死一塁で、投手涌井を四球で歩かせたところだ。相手はバントで送ろうとしたが、フルカウントからボール球となった。この場面、四球を出してはいけないと自分にプレッシャーをかけたように映った。もちろん、バントを成功させてもいいのだが、「バントさせるか」という相手と勝負する姿勢は必要だ。戦う気持ちを忘れてはいけない。

もう1つは、2死一、二塁で2番板山に初球を痛打され、勝ち越しの右翼線二塁打を浴びたところだ。前の打者の岡林はいい当たりの右飛だった。こういう打球は「警鐘」になる。続く板山はレギュラーの立ち位置ではなく、早いカウントから必死に打ちにくるのは想像できた。その状況で初球、ストレートでストライクを取りにいったのは、慎重さを欠いたと言わざるを得ない。投手に四球を与えると、どうしても引きずってしまうもの。その影響もあったのだろう。

技術的に見れば、この日の才木は投球動作のトップのところで「ため」がなく、バッターに間合いが合っていた。球速は150キロを超していたが、私には半速球を打たれているように見えた。

開幕から1カ月がたち、阪神は安定した投手力を中心に、勝てる試合をしっかりとモノにしている印象がある。抑えの岩崎が試合をひっくり返されて負けるような展開はまだない。だから、首位の座にいる。それでいえば、この日のような負けは痛いね。(日刊スポーツ評論家)