先発した高卒ルーキー柴田獅子がパーフェクトだったことに加え、球宴明けの入りとして最高の白星だった。
柴田は何よりストライクゾーンで勝負していたところが非常に良かった。投手にとって最大の武器はゾーンで勝負できるかどうか。それを初登板で落ち着いて実行するところに非凡なものを見た。
ゾーンで勝負できるということはストライク先行につながり、ゆえに相手はボール球を振る。ピッチングとして申し分ない。
4番山本に対し2ボールとなったが、3球目は151キロの真っすぐで空振り。さらにファウルで難なく2ストライクを稼いだ。3回ノーヒット。完璧だった。
おそらく、新庄監督はポジティブな思考から、ロッテ戦の初戦と考えていたのだろう。それは2カード目のソフトバンク戦と関連する。私の予想では加藤貴、山崎、北山などをぶつける戦略があるのだろう。
この2カードの投手起用を両にらみしながら、もっとも柴田が入りやすい場所としてこの試合を選んだ。この手法で達に自信を持たせることに成功している。まんまと、達に続き柴田も成長へのレールに乗せつつある。ここも見逃せない。
日本ハムへの評価と正反対の目がロッテに向けられるのは必然だ。柴田がゾーンで悠々と勝負してくるのに、ファーストストライクを振らない。打ったのは9打者で藤原ただ1人(左飛)で、空振りしたのは上田だけだった。スイスイ投げる柴田に対し、セーフティーの構えをするなり、粘って球数を投げさせるなりの意図は感じられなかった。
さらに、守っては先発ボスが制球に苦しむ2回無死一、二塁。打席水野の場面では、明らかに犠打という流れで、三塁安田のバントへの反応が遅すぎる。通常なら楽々一塁アウトのバントだ。それが内野安打。油断以外の何物でもない。
3回には俊足五十幡が出塁しても、ボスはクイックせず、寺地もなすすべもなく盗塁を許し、直後レイエスの適時打で勝負ありの4点目を許した。首位と6位の差がありのままに露呈した。それを妥当な結果と受けとめることは、この世界では許されないだろう。
一生懸命やっているのだから、という言い分は論外。打った、打たないは実力・技術が伴い、一朝一夕には行かないが、準備・判断・スキを見せないは意識によってすぐに実行できる。
緻密な部分の指摘ではない。私はもっと大枠の、骨組みのところを言っている。今のロッテにはスキがありすぎる。そこを改める意欲が出てこなければ、今後につながらない。若手を育てるという狙いがあったとして、こうした戦いを続け、無為に黒星を重ねても、未来への展望は開けない。(日刊スポーツ評論家)




