楽天前監督の平石洋介氏(45)が楽天-ロッテ22回戦(楽天モバイルパーク)を評論した。快勝を呼んだ攻撃陣を高く評価しつつ、もったいないプレーも指摘した。

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楽天は非常にいい攻撃を見せた。2回の先制は、先頭ボイトが左前打を放ち、フランコが四球。初球、2球目と低めの変化球をしっかり見逃したのが大きかった。浅村も四球で続いたが、状態の良さがうかがえた。初球スライダーを空振りした後、アウトロー真っすぐがボール。ストライクを取られてもおかしくなかったが、打席での間合いがよく、平然と見逃した。ロッテ小島も、それを感じたのではないか。出来が良くなかったのもあるが、浅村に対し慎重になり、歩かせた。塁が埋まり、2四球のあとの初球を鈴木大がきっちり犠飛とした。

3回は2死二、三塁でフランコが左前に運び、2点を加えた。2回の前打席では変化球のボール球を我慢している。誘い球に手を出さなかったことが、この打席の真っすぐにつながった可能性がある。今度は内角にきた真っすぐを一振りで仕留めた。一時は調子を崩しボール球を振っていたが、状態は上向きだ。

ただ、何と言っても浅村の一振りだ。4回のソロは、直前に1点を失っていただけに効果的だった。変化球2つでカウント1-1となり、真っすぐを狙ったのだろう。ドンピシャのスイングだった。それができるようになったのも、打席での準備が早くなっているからだ。振れる体勢に入り、ボールを待ち構える時間的な余裕ができている。再昇格前は逆に立ち遅れ、差し込まれていた。それがなくなり、ボールがよく見えている。だから、2回はコーナーぎりぎりの球でも平然と見逃し、四球を奪った。

6回にはボイトもソロを放った。打つべき人の好調さが結果に表れた試合だった。それだけに4回の守りが悔やまれる。1死から友杉の中前打を、武藤が後逸し二塁まで進まれた。2死後、藤井がタイムリーを打たれ、降板した。

確かに打球は若干、ブレたが、天然芝では当たり前。決して「イレギュラー」とは呼べない。例えば走者二塁でバックホームの必要があり、いちかばちかの勝負でチャージして後逸したのなら、まだ仕方ないと言えるときもある。だが、武藤の場合は1死走者なしから。駆けながら正面のゴロにグラブを差し出し、はじいてしまった。プレーの選択が正しかったのか。簡単なプレーこそ、丁寧に行わなければいけない。

もちろん、藤井が後続を断てば済んだ話だが、そうはならず、結果的に武藤の失策が降板につながった。武藤はこれまで守備でチームを救ってきた。だが、たった1つのプレーで評価を下げてしまった。それだけでなく、藤井も苦しめた。自分のプレーが人の人生まで終わらせることもあるのがプロの世界。武藤自身が悔しいだろうが、苦い経験を糧にするしかない。

全体としてはナイスゲームだった。それでも、やはり藤井が非常に気の毒に感じた。確かに毎回走者を出したが、そこで粘って抑えるのがスタイル。シーズン最終盤となり、個人の勝ちよりチームの勝ちなのは重々、承知している。全て分かった上で「気の毒」と書かせてもらう。これにめげず、また次に臨んで欲しい。(日刊スポーツ評論家)

楽天対ロッテ 6回裏楽天無死、左中間本塁打を放つボイト(撮影・野上伸悟)
楽天対ロッテ 6回裏楽天無死、左中間本塁打を放つボイト(撮影・野上伸悟)
楽天対ロッテ 6回裏楽天無死、左中間本塁打を放ち喜ぶボイト(撮影・野上伸悟)
楽天対ロッテ 6回裏楽天無死、左中間本塁打を放ち喜ぶボイト(撮影・野上伸悟)