阪神、DeNAの戦いは“リリーフ勝負”になれば両軍の力量差は歴然だった。だから8回の阪神が1点差を追いついた時点で、ブルペンの顔ぶれを見渡しても、これで負けはないだろうと読むことができた。

その8回、代わったDeNA伊勢から、近本四球と犠打で1死二塁。続く森下は伊勢に対してタイミングが合っていないように見えた。森下を打ちとれば、続く佐藤輝は申告敬遠で歩かされていたはずだ。

しかし、DeNAベンチのシナリオはもろくも崩れる。大胆さを欠いた伊勢が森下に四球を与えてしまった。2死一、二塁で、4番佐藤輝に同点打を許してしまったのは悔いが残ったことだろう。

その森下が延長10回にサヨナラ本塁打で勝負を決めるのだから皮肉だった。ただ阪神はその前の9回の攻撃で、坂本の四球後、続く小幡がバントで送れず、最終的にバスターのような形で二飛に終わったのは、今後の課題として残った。

DeNAに勝機がなかったわけではない。8回。佐野、筒香の短長打で無死二、三塁。牧が左飛で1死後、山本の三ゴロで三塁走者の代走神里が三本間で挟殺される。この間、山本の打球で“ゴロゴー”のはずが、二塁走者・筒香は二塁止まりで三進しなかったのは、阪神サイドを助けた。

阪神がCSファイナルを突破するのは必至だが、この日の先発才木の投球は気がかりだった。立ち上がりから、いつも以上に逆球が多く、3ボールになるケースが目立って球数がかさんだ。DeNAに「粘られた」というより「決めきれなかった」というほうが妥当だった。

前日15日は、及川、石井がイニングをまたぎをして逃げ切った。才木がリードを保ったまま7回を投げ、及川、石井のどちらか1人を使わずに収めるのが理想的だったから、才木の投球は今後のポイントになってくる。

(日刊スポーツ評論家)

阪神対DeNA 8回裏阪神1死一、二塁、佐藤輝に同点の適時打許す伊勢(撮影・たえ見朱実)
阪神対DeNA 8回裏阪神1死一、二塁、佐藤輝に同点の適時打許す伊勢(撮影・たえ見朱実)
【イラスト】セ・リーグのクライマックスシリーズ日程
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